レポート・コラム

【経済トピックスNo.18】消費抑制と住宅関連投資(宮脇淳)(2026年9月10日)

消費抑制と住宅関連投資

 国内の消費活動が、低迷を続けています。企業の賃上げは継続的に行われているものの、食料品、エネルギー等の価格引上げが続いており、物価上昇を勘案した実質消費支出は2025年後半以降、前年比で伸びを低下させ、26年に入り前年比で減少を続けています(1)。価格上昇が、日常生活の消費活動を圧迫しています。

(資料)総務省「家計調査」2人以上世帯による

 こうした中で、アンケートにより街の景況実感を調べる内閣府「景気ウォッチャー調査」によると、家計部門の先行き景況感が足踏み状態にあり、同様の状態が続く結果となっています。本「月刊みらい10月号、住宅・建築動向、需要動向」で景気ウォッチャー調査による全体動向はご紹介していますが、さらに詳しく家計部門別の先行き景況感をみると図2のとおりとなります。

(資料)内閣府「景気ウォッチャー調査」

 家計の日本経済に対する景況感は、全体として少しずつ悪化しています。その中でも住宅関連の景況感の落ち込みが一番大きいほか、飲食関連も足元で小売、サービス関連に比べて悪化しています。住宅部門は、好不況の判断基準である「50」を大きく下回る状況が続いており住宅関連消費に対する冷え込みが明確となっています。景況感と共に実体経済の動向を示す新設住宅着工調査の数値が低迷していることは、周知のとおりです。

(資料)総務省「家計調査」

 20266月の実質消費支出は、前年比3.3%減となっています。これを上回る減少となっている主要品目が図3のとおりです。一番大きな減少が「一般家具」、それに続く住宅関連品目は「室内装備・装飾品」、「家賃地代」、「家具用消耗品」などです。住宅関連は建設業だけでなく、幅広い消費活動に影響を与える裾野の広い産業です。被服、さらに飲料、生鮮魚介等飲食関係の減少も目立ちますが、それ以上に家計の実質消費で節約傾向を強めているのが住宅関連であることが分かります。

 景気の先行きを見る場合、こうした主観的な景気ウォッチャー調査の品目ごとの動向と、経済データによる客観的な住宅着工等実体経済の動向を比較しつつ注目する必要があります。それにより、景気の転換点も見抜くことができます。

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